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2008年 09月 26日
絵画とは、紙や布に色を接着して出来たモノである。
…と改めて知るのは、材料について考えるとき。その制作と保存のために、接着剤の知識は欠かせないのだ。絵画は、天然素材や合成素材を使った画面上の化学実験場でもある。…とはいえ、私はこの辺の知識に疎いのだけど。 普段使われているほとんどの絵具は、色を出すための顔料と、それを画面に定着させるための接着剤を混ぜ合わせて作ったものである。油絵の具は油と顔料を練ったもの、アクリル絵の具はアクリル樹脂と顔料…。いかに画面に接着・定着させるか…が絵画の基本である。 ![]() また、画布上に画材を定着しやすくしたり、保存・強化などのために、昔から定番として使われてる接着剤が膠(にかわ)。主成分は、コラーゲンであり、兎の皮を水で煮た液を乾燥させて作ったものをよく使う。この分野に携わってない人は、にわかに信じがたい顔をすることがあるが、本当に兎の皮なのである。イタリアでも昔から使用され"Colla di Coniglio うさぎの糊"と呼ばれている。ブラウンシュガーのような粉末で売られている膠を水でふやかし、湯煎にかけて使用する。この鼻を突く独特の匂いが、美術学校の教室中に充満してることも多々ある。兎を飼ってる私でさえ、自宅で膠を湯煎にかけるという残酷な行為をしていた。 ![]() 前置きが長くなったが、最近制作している古本コラージュのために、新たな接着剤を使ってみた。その名もメチルセルロース。紙などの修復材料として使われている。木綿や人工繊維から出来た白い粉末を水に溶かして使用する。今回はスイスのラスコー社のメチルセルロースを使っている。そもそも古く朽ちた紙を用いてるだけに、少しでも保存がきくようにしたい。 絵画は接着剤によって決まる。あまり化学が得意じゃない私も、作品が長期保存できるように、もっときちんと学ばないといけない。 追伸: 文化財修復の背後にも"文化"という哲学・思考・価値観の違いが反映される…。医学・ビジネス、すべての分野に言えることだけれど。 イタリア修復事情について私考したこのコラムもおもしろい。
by caopom
| 2008-09-26 01:47
| アート
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Comments(4)
caopmさん
こんにちは 技材の研究も、さらに深まっているようですね。 素晴らしい!膠は、兎が、扱い易いので一般的ですが 魚や牛や豚ちゃんのもあるよ。日本ではそれらを、洋膠と 呼びます。イタリアの修復技術や専門的な、材料屋さんは 驚くべき種類で、店に入ったとたん、とても興奮したのを 覚えています。メチルセルロース!中性って所がポイント なのでしょね。知りませんでした。勉強になります。 Forza! caopom!
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へー、皮だったんですか~。日本画用の膠を母が使っていたのでゼラチン系なものの印象しかなかったんですが、でも良く考えればゼラチンにしたって動物系たんぱく質ですもんね。
確かに古い本が素材だから長持ちするようにするのは重要かも!
kentarobaba68さま
こんにちは!魚や牛や豚バージョン膠もあるんですね。 想像するだけで匂ってきそうです…。 郊外にあるイタリアの修復専門卸売店、かなりの充実度のようですね。いつも行ってみたいと思いつつまだ実現できてません。 技法の研究は、まだまだ…ですし、毎回、自分の制作活動で迷うことばかりです。でも、続けていくことで見えてくるものもあるはずなので、常に客観的視点を忘れず、前進できればと思ってます。babaさんも頑張ってください!応援してます。
H.Okabeさま
皮…と考えると、残忍ですよね…。ベジタリアンからお叱りを受けそうです。 お母様、日本画をされるんですか?知らなかった…ピーコに続くべっちょ家の秘密が明らかに。いつかご両親に謁見してみたいです。
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