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2006年 11月 09日
早くも1ヶ月以上の月日が流れてしまったが、9月末から10月初旬にかけて、卒論のための資料収集、人との会合、展覧会見学のために1週間パリ滞在を決行した。日本文化会館やポンピドゥーセンターの巨大図書館を利用し、パリの便利さと充実さを実感。街を歩いても歩いても隅々まで見所が盛り沢山で、ほんとにエレガントな街。mixiで見つけた15区の格安アパートに滞在しつつ、人と本と芸術とジャズとの出会いの旅。
ミラノから飛行機で発つ早々、パリ在住イタリア人との偶然の出会いがあり、ミラノからモンパルナスまでの旅の伴侶となる。パリに到着早々、カヌー仲間の駐在ご夫妻宅で牡蠣づくしで癒され、幸先の良い出発となった。 次の日から早速図書館で情報収集開始。その後、ボローニャのアートフェアのお仕事でご一緒したアーティスト濱田亨さんのパリ郊外にあるアトリエへ招かれる。 18歳で渡欧し35年をヨーロッパで修業し、猛烈なエネルギーで制作を続ける彫刻家・画家。郊外の元農家を住居兼作業場に改築した広いスペースを見せて頂く。ちょうど挙式のため渡仏していらした甥っ子さんご夫妻と一緒に、大理石を削ったり磨いたりする作業を体験させて下さった。彫刻という作業の重みをひしひしと感じる。ブレラで大理石に触れる体験はあったものの、巨大な石切機などを使うのは初めて。あまりの重さと振動に立ってるのがやっと。想像以上に過酷な作業である。 この滞在の間に、フランスでの芸術活動について、お金もツテもない10代から今までの道のり、生活について、いろいろなお話を伺った。 異国の美術界での半端ない苦労と努力によって、彼自身の行動・気配り・敏感さは研ぎ澄まされたレベルに達している。毎日を無駄なくいっぱいにエネルギーを充満させて生きている。創り続ける姿勢、というものを改めて思い出させてくれた。 多様な現代美術の世界の中で、作品のメディアや形態が変わっても、大昔から受け継がれているいわば芯のようなもの。そこに込められたエネルギーと"創ることへの邁進"。作り手と作品の寡黙な対話。余計な情報や周囲の雑音と距離を置いた、創造のオリジナルな部分を想起させてくれた大理石の触感。 その後のパリ滞在で、エコール デ ボザール界隈の老舗ギャラリーDi Meoのウィンドウに彼の小さな抽象彫刻を発見した時、その冷たく堅い石の中に、空や風や埃や音の記憶が込められていることを感じた。
by caopom
| 2006-11-09 21:05
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