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2007年 08月 30日
家に籠もり作業をする毎日。昼間のRadio3を何気なく聴いていたら、"本"にまつわる番組をやっていた。
評論家っぽい人々が出版界主催の本の"賞"についての討論をしている。賞に付随する政治的な仕組みだとかマーケットとの関わりなど、どこの国でもあるんだなぁと思わせる出版業界の歪みなどについての話題。 その後、"caccia libro"(本の追跡)というコーナーへ。絶版になって流通で見つからない書籍を探している一般人が、電話でその本のタイトル等詳細を述べ、誰か持っている人、情報を持っている人からの連絡を請うというコーナー。インターネット時代に、こんなことをラジオ番組への電話を通して行うなんて、なんともノスタルジー溢れる企画だなぁと思い聴いていた。 今回は、ラツィオというローマ近辺の地方に住む中年男性が、ある絶版小説への思いを語り、その本の情報を持っている人はRadio3へぜひ電話を…という内容。 続いて、先週ある本への問い合わせがあったスペツィアという街に住むアントニオという男性と電話がつながった。実はこのアントニオが言うには、自分はそれほど有名ではない歴史に関する作家なのだが、どういうわけか自分の家にあった過去の1自著を紛失してしまったとのこと。間違って捨てちゃったのか、誰かに貸したかも記憶にない。出版社に問い合わせて手に入れようとしたが、絶版且つ倉庫にあった分は裁断済みで、作家に渡す分もないと言われたらしい。途方に暮れつつ"caccia libro"に電話をして、誰か自分の本を持ってる人いない?と問い合わせた次第である。 その後、このラジオを聴いた、しかも偶然同じ街スペツィアに住むある女性から問い合わせがあったらしく、その彼女と電話がつながった。どうやら彼女はこの歴史作家のファンで、彼の全著作を持っているとのこと。 アントニオ曰く、この探してる著作はだいぶ前のもので、今となっては恥ずかしいイマイチな内容なのだと弁解していたが、解説者が、女性にこの本の感想を聞いてみる。女性は、自分は気に入った、興味深い内容だったと述べ、再版すべきかと問われると"non lo so"わからない。と一言。さすが正直なイタリア人。 この女性がアントニオにこの本を譲るのか売るのかの行く末は謎に終わってしまったが、何はともあれたまたま同じ街に住む人が自分の本を持ってたと連絡を受けるなんて、ラッキーな(?!)作家アントニオ。 こんなラジオ番組で、一視聴者として作家が自分の著作を探すという、ちょっとコミカルなことが起きてしまうのがとってもイタリアらしい。生き残りという本の抱えるリスクの大きさは日本もイタリアも同じような状況なのだろう。笑えるような、でもあんまり笑えないような話。
by caopom
| 2007-08-30 19:52
| 本
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